iPhoneのロックを解除する「Jailbreak」は合法―このような決定を、米著作権局が下した。
同局は7月26日、コピープロテクトの回避・解除を禁止する「デジタルミレニアム著作権法(DMCA)」の新たな適用除外項目を明らかにした。同局は3年に1度DMCAを見直し、技術の変化などに応じて適用除外項目を加えている。
これまでは、iPhoneを脱獄させてアップルの公式サービス「アップストア」で提供していないアプリをダウンロードできるようにする行為は、法に触れる可能性があった。DMCAでは著作物(この場合はiPhoneのiOS)の利用管理のための「技術的措置」の迂回を禁じており、ユーザーが同法に違反した場合、アップルは2500ドルの罰金命令を要求できる権利があった。
実際にはアップルがiPhoneユーザーに対する罰金を請求したことはまだないが、同社は昨年、脱獄行為をDMCAの適用除外とすることに反対する意見を提出していた。
今回の見直しで除外対象と定められた項目には、「ユーザーが合法的に入手したアプリケーションを携帯電話で実行できるようにする」目的でプロテクトを解除する行為が含まれている。つまり、非公認アプリを実行するためにiPhoneをJailbreakすることはDMCAに反しないということだ。
さらに、「合法的に入手した映画DVDのプロテクトを解除して、映像の一部を教育目的やドキュメンタリー、非営利の動画などに利用する」「セキュリティテストや脆弱性修正のためにビデオゲームのロックを外す」「電子書籍の読み上げ防止機能の解除」「使えなくなった古いドングル(製造が終了していたり代替品が手に入らない場合)の無効化」も除外項目として挙げられている。電子書籍の読み上げ防止機能の解除は、視覚障害者団体が要望していた項目という。
アップルの広報は、著作権局の決定について「アップルは常にiPhoneの素晴らしい体験を保証することを目指してきた。脱獄させればユーザー体験が著しく悪化しかねない」「ユーザーの大多数は自分のiPhoneを脱獄させたりはしない」とコメントした。
著作権局はさらに、ユーザーが携帯電話会社を変更するため手持ちの携帯電話に手を加えることを認めた2006年の条項も再承認し、適用除外項目を拡大した。これまでは、電話会社を変更するためのファームウェア更新のみが認められていたが、今回はソフトウェアに手を加えることも認める条項が加わった。つまり、米国のiPhoneユーザーは、AT&T以外の回線を利用するためのソフトウェアを合法的にダウンロードできることになる。
著作権局はDMCAの適用除外条項について3年ごとに見直しを行っている。同法の適用除外条項は、この見直しで更新されなければ失効する。